サユリ【2024年】怖くて切なくて爽快で青春!感情揺さぶられ系の傑作

映画

評価・・・90点

キャッチコピー

この夏、恐怖が覚醒する。進化系最恐ホラー誕生。

監督:白石晃士

キャスト

  • 南出凌嘉(ノリオ)
  • 根岸 季衣(ばあちゃん)
  • 近藤華(スミダ)
  • きたろう(じいちゃん)
  • 梶原善(お父さん)
  • 占部房子(お母さん)
  • 森田想(お姉ちゃん)

感想(※以下、ネタバレあり)

白石晃士監督作品ということで、脊髄反射的に劇場へ。原作未見、あらすじノーチェック、キャストノーチェックのまっさらで真っ白な状態で公開から3日後に鑑賞してまいりました。

これはいい!むちゃくちゃいい!

未見の方は、すぐにこの記事を閉じて、映画館に走って欲しい。

見終わった後に細かい内容など忘れてしまっていい。

たとえ、ストーリーを忘れてしまったとしても、鑑賞後には「明日への希望の灯し火」があなたの心にともり、あなたの心を暖めてくれているはずです。

すぐに映画館に向かってください。

以下に少しのネタバレありで私の感想を記します。

映画には、ひとつのテーマをじっくり描くタイプもあれば、観客の感情を右に左に上に下にと揺さぶるタイプのものもあります。(ジェームズガンの作品は後者のパターンが多いですよね)

今作品は後者の「感情揺さぶられ系」です。

序盤の展開から「これは家族ひとりひとりが呪われていく呪怨系の映画だな、ふむふむ」と安心(?)して観ていたのですが、展開が早い早い。呪いのパワーが半端なく、家族がバンバン死んでいきます。バンバン死んで、どんどん増える祭壇の遺影。

この時点でいい意味で予想を裏切られ、観客は恐怖と絶望を味わいます。

みんな死んじゃって、これからどうなっちゃうだろ…残ってるのは主人公のノリオとボケ老人だけだよね…あ、そうかもうすぐ有名な祈祷師が来るって言ってたっけ…

そんな観客の不安と安直な予想を嘲笑うかのように、逆光のなか立ち上がったのは、ボケから覚醒したばあちゃん!

ここでまた感情が揺さぶられます。

そこから怒涛の展開で、観客の感情をさらにさらに揺さぶりにきます。

死んでる者に生きてる者が負けるわけねえ!という納得できるようなできないようなトンデモ理論を振りかざし、ばあちゃんと孫は突き進んでいきます。ロックです。

よく食べてよく運動してちゃんと掃除する!そうすれば勝てる!ロックです。熱いです。

また、せっかく来てくれた祈祷師に対しても、「祓ってすませるつもりはねえ」と啖呵を切って追い返す展開も熱い。伏線回収。私なら全財産払ってでもすがりたい祈祷師を太極拳でぶっ飛ばすばあちゃん。鳥肌です。

ブルってるノリオに、「ワシら2人で復讐じゃ!」と啖呵を切るばあちゃん。呪いvs復讐!化け物だろうが、呪いだろうが、全然関係ねえ、復讐だよ、復讐!ゾクゾクです。

さらにサユリの過去で、観客を悲しませ、ノリオの「元気はつらつ!」で観客を笑わせて、スミダの健気さでほっこりさせての後半の一気呵成の展開は、本当に感情を上に下に右に左に揺さぶられて、気持ち良い映画体験ができました。

家族ほとんど死亡という悲惨な結末ながらも、明日からも生きていくぜ!眩しいぜ、青春!という感じで、爽快感もありました。そして、少年が絶望から立ち上がるひと夏の経験、成長物語でもあり、気持ちがほっこりもいたしました。

最後に強く言いたいのは、今年の私の映画ヒーローNo. 1はばあちゃんに決まり!ということです。

特に好きなのは、ばあちゃんが危機が去った瞬間に、元のボケ老人に戻るところ。役目を終えるとあとは若い者の時代だとばかりにスッと消えるのが、かっこいい。私もそんな頼れるかっこいい、そして引き際が美しい老人になりたいものです。今後、自分が老害になりそうな時には、このばあちゃんのことを思い出そう、改めて「サユリ」を視聴しようと強く決意した次第。

また、白石監督が好きな人には、「あ!白石っぽい!」とニヤリとしてしまうシーンもあり、それもまた楽しい。この作品で白石晃士監督に興味を持った方はぜひ「コワすぎ」シリーズを観ていただきたいと思います。

まとめ

恐怖×ヒーロー×青春イコール最高!そんな傑作です。

白石ファンもはじめての人も、若い人もお年寄りも、みんなの感情を揺さぶる傑作です。

白石晃士監督、最高!

タイトルとURLをコピーしました