評価・・・16点
キャッチコピー
- にじり寄る悪夢
監督:カイル・エドワード・ボール
キャスト
- おもちゃの電話
感想(※以下、ネタバレあり)
昨年からずっとずっと気になっていた作品。やっとこの日がやってまいりました。
最近は残業続きの毎日のため、なんとか最終上映時間に間に合わせるべく朝から気合を入れて昼食もウイダーインゼリーで済ませて、冷や汗と脂汗をかきながらシャカリキになって労働に勤しんだものの、残念ながら深夜まで残業となり、公開日には観ることはできませんでした。
翌日土曜日。
過酷な労働で痛んだ身体に鞭を打ち、早朝に起床し、電車を乗り継ぎ都内の映画館に向かいました。平日は朝が苦痛でたまらないのに、映画となればスパッと目覚めるのは人体の不思議です。
身体はボロボロではありますが、楽しみな作品がまもなく観られると思うと、アドレナリンの大量放出で、身も心も羽が生えたかのように軽い、軽い。
結果としては、
記憶にある中で過去最低レベルの作品でした。
進撃の巨人や少林少女と匹敵する、もしかするとそれ以下のひどい作品。ただ、失望と怒りで寝込むほどショックを受けたスターウォーズエピソード8ほどのインパクトはないので、インパクト少なめのクソ映画といえましょう。
ただ、この映画が大好きな人もいるはずなので、前言を撤回し「クソではない、ただ私には今世紀最悪に合わない作品であった」と言い換えさせていただきます。
お詫びして訂正いたします。
なんと表現しましょうか、メロンだと思ってかぶりついたらドリアンだったみたいな?ベビーリーフのサラダだと思って口いっぱい頬張ったらパクチーサラダだったみたいな?私にとってドリアンやパクチーが口に合わなかったとしてもこの世から根絶すべき食品とは言えないでしょう。あ、前述の進撃や少林はそれこそ根絶すべきクソです。
きっとパクチーやドリアンを熱烈に愛している人がいるように、この作品の虜になっている方もおられると思います。
パクチーやドリアンが好きな人がそれらが好きな理由は、合わせ鏡のように、毛嫌いする人々にとっての嫌悪すべき理由となりうることが多いと思われます。
ドリアンの芳醇な香り→オナラみたいな匂いじゃねーか、パクチーの個性的な香り→カメムシの匂いじゃねーか等。
そんなわけで、スキナマリンクに対する嫌悪感をこの作品を愛する人が抱くであろうポイントとともに指摘していきたいと思います。
この作品には基本俳優は出てきません。誰の視点かわからない独特のカメラワークが続きます。非常に実験的な作品です。実験するのはいいですが、できれば自分のラボでやっていただきたい。実験に実験を重ねて満足のいく完璧なものに仕上げてから世に送り出していただきたい。今作は私にとっては実験的な作品でなく、実験途中の中途半端な作品でした。
ストーリーらしいストーリーはなく、つまり起承転結もなく、ただただ暗闇の中で浮かび上がる対象物を細かく切り替わるカメラワークで映し出す。まるで映画でなくアートのような作品です。たしかに心の奥底に働きかける印象的なシーンが続きます。ですが、それが1時間40分絶え間なく続くのはつらいって。ミロのモナリザが素晴らしい作品だからといって1時間40分眺め続けられないって。
映画というのは、ストーリー、音楽、音響、照明、演技の総合力で表現される芸術です。そこからストーリーやら演技やらを取り除いてしまっては映画とは言えないでしょう。これは映画ではなくアートだというのならば、それこそドリアンをメロンだと思ってかぶりついてしまった私のミスです。でも美術館ではなく映画館で上映したんですよね?勘違いした私に非があるとは思えないのです。
また、アートを愛でたいのならば、私は映画館には行かないです。彫刻の森美術館に行きます。
よかった点もひとつ。
途中の2度ほどあったジャンプスケアでそれこそ飛び上がるぐらい驚きました。もうダメ限界、眠い、ダメ寝ちゃうといったこの世とあの世の境目を行ったり来たりしている精神状態に陥ったその絶妙なタイミングで、爆音でジャンプスケアがやってきます。そのタイミングが見事なこと!このジャンプスケアのためだけにアートな映像を見せつけていたのか?と疑うレベル。もしそうだとしたらこの監督はドのつくサディストでしょう。
2回目のジャンプスケアのおもちゃの電話?が可愛くて、ステッカーが売っていたら欲しいレベルでした。

点数の内訳ですが、このジャンプスケアで3点、この作品を世に送り出そうと考えた製作陣の心意気に3点、おもちゃの電話の可愛さに10点の合計16点としました。
今後、多くの作品に出会っていく中で、自分に合わない作品に出会した際に、「スキマナリンクと比べてどうだろうか?」という比較対象、一つの物差しを得られたのは、それはそれである意味価値ある映画体験だったと思います。
まとめ
メロンだと思ってかぶりつくのは危険。万人に受けるメロン映画ではなく、非常にクセのあるドリアン映画です。
好きか嫌いかはあなた次第。
ただし、必ず映画館で観てください。旬のドリアンを適切な場所で味わっていただき、その上で、ご自身がドリアン好きかどうかご判断いただきたい。
私には合わなかったが、映画館で観るべき映画(?)であることは確約いたします。