評価・・・77点
あらすじ
シリーズ第7作目。人類の脅威となる最強AIを阻止すべく、イーサンとそのチームが世界をまたにかけて大暴れ。そして、イーサンの知られざる過去がいま明らかに。。。
監督:クリストファー・マッカリー
ローグ・ネイション、フォールアウトに引き続きメガホンを取る。
キャスト
- トム・クルーズ(イーサン)
- レベッカ・ファーガソン(イルサ)
- サイモン・ペッグ(ベンジー)
- ヴィング・レイムス(ルーサー)
- ヘイリー・アトウェル(グレース)※MCUのペギー・カーター
- ポム・クレメンティエフ(パリス)※MCUのマンティス
- イーサイ・モラレス(ガブリエル)
感想(※以下、ネタバレあり)
待ちに待ったミッションインポッシブルの最新作の公開だ!
昨年のトップガンマーヴェリックの公開時からトレイラーが公開され、煽りに煽られてきたので、期待値、マックス。
脇を固める女優が豪華絢爛。大好きなイルサが前作から引き続き登場することに加え、MCUのペギー・カーター、マンティスまでが加わる最強の布陣。期待値、大マックス。
こりゃ何度もおかわりする案件だぞと公開日に残業を断り、映画館に向かって小走りした。
結果は、残念ながら凡作であった。期待が高すぎたせいかもしれない。それは私が悪かった。そこは素直に謝る、
しかし公平に見ても、非常に「薄味」であることは断言できる。言うなれば、最高の味噌と最高の鰹節と最高の豆腐で作ったものすごく薄味の水っぽい味噌汁だ。
そう、食えたもんじゃねえ。
下記のよかったところと悪かったところを羅列していく。
よかったところ
冒頭の潜水艦のシーンが緊迫感があって興奮した。私が見ているのは本当にミッションインポッシブルなんだろうか?この話がどうやってイーサンにつながっていくのだろうか?とボルテージがどんどんアップ。
この時点で「この映画は今年ベストかもしれねえ」と震えた。
海の次は砂漠だ。砂漠で戦うイルサのカッコいいこと!単色の景色の中、すっくと立つ美女。スナイパー用の黒い眼帯をすっとはめて、敵の一人一人をバスバスと狙撃していく。やっぱイルサは絵になる。
続いて、ミッションインポッシブルの見せ場ともいえる「仲間でワチャワチャやりながら、最新メカを使って、ピンチをしのぐ」シーン。
緊迫するシーンが続く中でこのワチャワチャをいれることで緩急がつき、映画にテンポを与える役割を担っている。今回は最新メカは出てこなかったが、それでもイーサン・ベンジャミン・ルーサーのおなじみトリオのワチャワチャが見れるのは幸せなことだ。
と、よかったのはここまで。これ以降はどんどん薄味になっていく。。。
アクションが取ってつけたよう
今作は確かに金もかかっとる。気合いも入っとる。ファンの期待に応えようと頑張っとるのは認める。こんなんが好きなんやろ?とアクションを頑張ってくれたのは見て取れた。
だが、はっきり言うと私はアクションを見にきたのではない。映画を見にきたのだ。
アクションとストーリーがブツ切れになってしまっている。
長々としたアクションが繰り広げられても、肝心のストーリーが全く進まない。アクションとストーリーが分離してるので、ブツ切れのパッチワークのような印象だ。
さらにアクション自体もマンネリ。どっかで見たことあるカーチェイス、列車の上で戦闘シーンもどこかで見たな…
さらに、とにかく無駄に長い!それゆえに、瞬間瞬間では光るアクションもなんだかダシで伸ばしすぎたトロロ芋のようにうすーく間伸びしてしまっている。
必然性のない、しかも薄味のアクションを延々と見せられるのは苦痛だ。
チーム戦が取ってつけたよう
前述したとおり、私はイーサンが1人で戦うよりも、おじさんたちがチームを組んで、キャッキャ言いながら、ミッションをこなしていくのを見るのが好きだ。さらに最新のギアが出てくるとなおいい。
今回も空港のシーンではそれが堪能できた。でもそこまでだ。
その後も多少はチームぽいところもあったが、それがどうも「チームを出しとかないと、お前らうるさいだろ?」という制作側の意図が見える。
ストーリーの推進力になっていないのだ。
次はチームワークのコーナーです!というように無理に当てはめたよう。
確かにミッションインポッシブルはチームワークが見どころであるのはわかるが、観客に忖度して無理して入れられると鼻白らむ。
私は、「忖度、配慮、あるいは大人の事情」が見え隠れすると途端にヘソを曲げる難しい性格なのだ。申し訳ない。
敵がショボい
AIが自我を得た!AIの暴走!出たよ。まただよ。もう飽きたよ。
でも他の映画と違ってAIと直接戦うのではなく、AIの手先であるイケオジが相手なんだよ、ご安心を。
って、ずっこけるわ!
このイケオジ、とくに秀でた能力があるわけでなく、何でもかんでも力技。AIとは?最新のテクノロジーとは?
光が強ければ、影は一層暗くなる。その逆も然りだ。
イケオジ相手で緊張感が持続できず、始終退屈。そこに長々とした薄味アクション。
あのさ、AIとの戦いはMCUに任せておいたら?
そもそも、このイケオジにあのイルサがやられるかね?
まとめ
いい腕を持った職人が、金に糸目をつけずに、最高の材料を使って、じっくりと時間をかけても調理しても、決して最高の料理が出来上がるわけではないんだな、と新たな発見をした。
あっちにもこっちにも目配せしてアレもこれも詰め込みすぎた結果、味もへったくれもない薄味の間延びした、残念で退屈なものになった。
私は高級でなくていい、味の濃いミックスフライ定食のほうが好みなのだ。
しかしだ、メインディッシュの前に出てくる前菜はそれほど味が濃くはない。
今作は軽い前菜で、次作が脂っこいメインディッシュということもあり得る。
いや、そうに違いない。
そう信じて、次作を期待を込めて待ちたいと思う。