ドントブリーズ2【2021年】帰ってきた化け物ジジイ、ここに健在!

映画

評価・・・78点

あらすじ

強盗団を返り討ちにしたジジイは犬と、そしてなぜか少女と暮らしていた。この少女はなにものなのか?ジジイと犬と少女に危機が訪れる。さあ惨劇の始まりだ!

監督:ロド・サヤゲス

キャスト

スティーヴン・ラング、ブレンダン・セクストン3世、マデリン・グレイス

感想(※以下、ネタバレあり)

大好きな作品の続編だ。この映画も広義の意味でナーメテーター映画と言ってよいだろう。

若者たちが目の不自由なジジイの家に盗みに入る。あえて入る。だって楽勝だ!ノーリスクだ!俺たち天才だ!と思ったら、その目の不自由なジジイは実は戦闘マシーンの化け物ジジイだった。。。というのが、前作だ。(前にも書いたことがあるが、面白い映画は2、3行の文章であらすじや見どころが伝えられる。この映画もその方程式に当てはまる)

今作は正統な続編というよりも、どちらかというと「化け物ジジイ」という特異なキャラを使ったスピンオフ的な作品である。

ジジイの戦闘能力は既に僕ら観客にとって周知の事実。前回のようなサプライズは難しい。そこで、今回は観客の視点を変えることで、全く違った新鮮なストーリーを生み出した。

前作では観客の視点はコソ泥サイドにあり、コソ泥とともにジジイの秘密やジジイの戦闘能力にびっくりドキドキする仕掛けであった。対する今作はどうかというと、我々の視点はジジイ側にあり、目の見えない中でどうやって敵を倒すのか?という趣向。前作と全く違ったドキドキを提供してくれる素晴らしい仕掛けとなっていた。

冒頭はジジイと少女の訓練シーン。ジジイもご健在、そしてあの狂犬もご健在だ。

この冒頭シーンだけで、新しい物語が始まることを予感させてくれ、ワクワクさせてくれる。

その後、物語は予定通りというか予想通りというか期待通りに進み、ジジイと悪党との戦いになる。この辺のくだりは興醒めするサプライズも鼻白む変化球もない。ど直球。ナイス予定調和。これでいいのだ。

狂犬が殺されるのは悲しい場面であるが、犬を殺されて激昂して大虐殺!という展開はマッドマックス2とジョンウィックでインプット済みなので、多くの観客は悲しみながらもこの後の展開にワクワクしたことだろう。

敵役も「お前の心臓をよこせー」とクズっぷりを発揮して素晴らしい。もう少し「心臓欲しがりババア」の活躍が見たかったな。

ストーリーといい、アクションといい、そしてコンパクトな尺といい、全てにおいて満足できる作品であった。

あえて、苦言を呈するならば、ジジイを正義の味方っぽく描きすぎているところ。娘を亡くしてキチガイになり、少女と自分の娘の区別がつかなくなった妄執の塊の救いのない化け物として描いて欲しかった。そういった意味で、化け物としての魅力が失われたのが残念であった。

と言っても、よくできた映画なので、ジジイに会いたくなったら、再度見返したい。良作だ。

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