評価・・・50点
悪くはないけど、思ってたのと違う。
期待が大きく、その反動での落胆が大きい作品。ひまつぶしにどうぞ。
あらすじ
仕事もない、金もない、離婚によって家族の愛もない・・・そんな俺に一発逆転のチャンスが舞い込む。よし、イカゲームを勝ち抜いて、すべてを取り戻すぞ。
監督・キャスト
監督:ファン・ドンヒョク
大ヒット作「怪しい彼女(2014年)」が有名。その他、「トガニ 幼き瞳の告発(2011年)」など。
キャスト
イ・ジョンジェ、パク・ヘス、チョン・ホヨンほか
感想(※以下、ネタバレあり)
Netflixの記録を塗り替える大ヒット作!しかも大好物のデスゲームだ。これは観ない手はないとワクワクドキドキしながら視聴。
結果は・・・「思ってたのと違う」に尽きる。
「思ってたのと違うけど、まだまだ序盤だからな」と我慢しながら観続けたが、思ったのと違う感がむしろどんどん増大し、最終回でがっかりMAX。
序盤は、主人公(456番)の悲惨でクズでロクでもない生活を描く。
そうそう、こういうクズが一発逆転のために奮起してデスゲームに参加するんだよね、ワクワク。そもそもデスゲームに参加する根性があるなら、日々の生活をコツコツ頑張ればいいのにね、そこがクズなんだよね、いいねいいね、ドキドキ。
まず最初のゲームは「だるまさんがころんだ」だ。これは斬新だ。さあ、どんな駆け引き?どんな騙し合い?どんな裏ルール?ワクワクドキドキ・・・
ゲームスタート!
さあ頑張って時間内に走り抜けろ!
って、なんでやねん !!!
まあ、最初のゲームだからな、肩慣らしというかモブキャラを殺すことで、主催者側の本気度や残虐性を表現するためなんだろうな。
よし次のゲームはなんだ。次に期待だ。
次は「型抜き」だ。なるほど、ノスタルジーゲームシリーズで攻めてくるんだな。
さあ、どんな駆け引き?どんあ騙し合い?どんな裏切り?ワクワクドキドキ・・・
えっ、結局舐めて終わり!?昔ながらのゲームだから攻略法を爺さん(1番)だけが知ってて、その攻略法を餌に取引や裏切りが始まるんじゃないの??
いやいやいや、まだまだ、ゲームは続く。次に期待だ・・・
さあ、どんな駆け引き?どんな騙し合い?どんな・・・(略)
この調子でラストまで行ってしまった。
「カイジ」、「ライアーゲーム」、「バトルロアイアル」、「デスノート」といった作品を通過してきた日本の中高年には刺さらないだろう。刺さらないはずだ。それらの作品を知らない若年層や高齢者層に受けているのか?
リアルの格差社会の現実をゲームのなかに落とし込み縮小化することで、見えにくい格差社会のリアルをあぶり出すことを狙っているのかもしれないが、格差社会の絶望感ならば「ジョーカー」や同じく韓国作品である「パラサイト」のほうが秀逸だ。
ラストで爺さん(1番)が実は主催者で「参加するほうが楽しいやん」っていうのも、ああ知ってる知ってる、「ソウ」のジグソウも似たようなこと言ってたよねとゲンナリ。
なぜこれが世界的なヒットを記録しているのかさっぱり理解できない。もしかしたら、もう僕の感覚が古いのかもしれないな。そういった意味で、心をえぐる作品であった。
といっても役者陣の演技は抜群で、きれいな顔のニーチャンネーチャンばかり使いたがる日本の作品とは雲泥のリアル感。おなじ制作陣で、「カイジ」や「ライアーゲーム」をリブートしてくれたら、もっともっとヒットするはず。
なんとか、それをお願いできないだろうか?
上述したとおり、役者陣の演技で最後まで飽きることなく観ることはできる(がっかりしながらだが)。よって、「カイジ」や「ライアーゲーム」に思い入れがない人、思い入れがあっても時間が有り余って仕方のない人、学校や職場での話題づくりが欲しい人はぜひ観ていただきたい。