パニック・ルーム【2002年】

映画

評価・・・80点

脚本、演技、カメラワークのどれもが秀逸。時間を作って観ていただきたい。

あらすじ

大豪邸に引っ越してきた母娘。引っ越してきた初日に泥棒が侵入!絶対絶命!

でも大丈夫。私達はお金持ち。この豪邸にはパニックルーム(緊急避難シェルター)があるんだから。

え、でも、ちょっと待って。

忘れてた!やっべー!パニックルームの初期設定が終わってねーよ・・・

でも大丈夫。私達には知恵と勇気があるのだから。

監督・キャスト

監督:デビット・フィンチャー

言わずとしれた人気監督。みんな大好きデビット・フィンチャー!みんなが衝撃を受けた「セブン」、男の子はみんな大好き「ファイト・クラブ」、おっとびっくり「ゴーン・ガール」などヒット作多数。ちなみにこの作品は「ファイト・クラブ」の次に撮られた作品。

キャスト

ジョディ・フォスター、クリスティン・スチュワートなど

クリスティン・スチュワートはこの作品で注目され、その後トワイライトシリーズで大ブレイク。

このふたり、ホントの母娘といってもいいぐらい雰囲気が似てる。これも演技力のなせる技??

感想(※以下、ネタバレあり)

シンプルで潔い良品。

パニックルームに閉じ込められた母娘がどうやって脱出するか?というシンプルなプロット。

舞台は豪邸のみ、つまり屋内のみ。主要な登場人物も母娘、泥棒3人組が基本。激しい銃撃戦もなければ、目からビームを出すヒーローもいない。それでも、観客をぐいぐい引っ張る監督の力量、キャストの力量の感服するばかり。

シンプルな構図でありながら、家族にいい生活をさせたいだけの底辺の泥棒と離婚した旦那への意趣返しのためだけに豪邸に住めちゃう母娘の対比といった格差の問題などにもさらりと触れたり、母娘を捨てて若い女に走った親父がボコられたり、基本は金持ちなんだけど遺産を独り占めしたいクソは撃たれて死んだり・・・となかなか皮肉が効いてて面白い。

可哀想な金持ちと可哀想な底辺はなんとか生き残り、クソな金持ちとクソな底辺はそれなりの罰を受けるという結末になるんだけど、可哀想な金持ちも可哀想な底辺も生き残っただけで特に幸せになったわけではない・・・というのも味わい深い。

脚本、監督、カメラ、役者がそれぞれいい仕事をすれば、目からビームがでなくても面白い作品になることを示してくれる「映画らしい映画」だ。

大味なカーチェイス、ありえない銃撃、美男美女のいけ好かないラブストーリーなどに辟易している方は、ぜひ観ていただきたい。

とくに「裏窓」などの往年のヒッチコック映画が好きな方にはどストライクだと思います。

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