先日、妻と話をしているときに、彼女の話の腰を折りつつ、ややキツい口調で
「ええい、まどろっこしい。話はわかった!僕ならこうする!」
と愛する彼女のためにとっておきの解決策を提示したところ
「あなたに解決策なんて求めていない。ただ黙って聞いていればいいの!」
と言われた。
「なんだいそれは。僕はマネキン人形かい」
とひどく憤慨したものだが、いまになってみると妻の言には一理ある。
そもそも自分の問題について当人以外が口を挟んだところで、まず的を外すであろう。
たまたま的を射たとしても、それはすでに当人が出している解決策をたまたま言い当てたにすぎない。いずれにせよ、当人にとっては時間の無駄。
「ただしゃべるだけ」が重要なのだと彼女はいう。
エレメントは当人の心の中にすでに準備されており、話をしていくうちに複数のエレメントが結合し、いくつかのオプションに論理的に整理統合され、さらに実行する勇気が加わり、具体的な「解決策」として結実するというプロセスを彼女は求めていたわけだ。
「あんたは黙って聞いていればいいの!」には深い意味があったわけである。
なるほど、この方法はたいへん利にかなっている。
統計をとったわけではないが、女性達はみな先天的にこの方法を上手に使いこなしているように感じる。(僕の妻だけが持つ特殊能力ではあるまい。)
では、我々男性はどうであろうか?
残念ながら僕はできていない。
僕の周りの男性陣を見回しても、お世辞にもできているとはいえない。
僕などは、しゃべることで解決策を頭のなかで構築することができないどころか、ひとたび口を開くとしどろもどろの意味不明である。
では逆はどうかというと、話を上手に聞いて解決策に至るように導くなどなおさらできない。
なにかの統計データを見たのだが、自殺者の7~8割は男性だそうだ。
これは日本での統計だが、ほとんどの国で男性の方が自殺率が高く、日本と似たような傾向にあるという。
この自殺率の男女差については諸説あるようだが、これは「おしゃべりしながら、抱えている問題の整理とその解決策を導き出すスキル」の差にあるのではないだろうか?
では、このスキルを持たない僕ら男性はどうすればいいのだろうか?
おしゃべり講習会みたいなところに通えばいいの?
それとも心の鍛錬のために「自殺する奴は弱い奴だ!」と唱えながら滝にでも打たれればいいの?
そこで僕は考えた。おしゃべりにこだわらなくてもいい、とにかく吐き出せばいいのではないか?
といっても、海に向かって叫んでもむなしいだけだし、公園で一人ブツブツ呟いていたらキチガイだ。
そこでブログである。
日々溜まっていく澱をブログに吐き出すことで、日々身に降りかかる厄災に対しての解決策を自分なりに導き出そうと。
つまり、簡単にいうと、このブログは日々の愚痴や思い出話をだらだら書き連ねますよ、という意味になります。
よろしくお願いします。