評価・・・99点
あらすじ
トップガン(1986年)の36年ぶりの続編。前作では華々しい活躍の末、トップガンの教官になたマーヴェリック。30数年後、彼はどんな人生を歩んできたのか?
監督:ジョセフ・コシンスキー
おなじくトム・クルーズ主演のオブリビオン(2013年)など
キャスト
トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、バル・キルマー
感想(※以下、ネタバレあり)
久しぶりに映画を面白くする様々な要素がてんこ盛りで、かつ、全局面において満点級の映画が出た。これぞ映画のなかの映画だ。とてもとても満足だ。このような興奮はマッドマックス怒りのデスロード以来である。(怒りのデスロードは3回見に行った)
まず音楽。
トップガンといえばあの曲だ。ケニーロギンスだ。トップガンアンセムが厳かに奏でられ、そこからドーンとタイトルコール。そこから一気にデンジャーゾーン!その瞬間に肺の奥からなんとも言えない気体がブワーと溢れ出す。前の座席に同年代と思われるおじさんが座っていたのだが、曲が流れた瞬間に彼の首がガクンと後ろにのけぞった。最高だ。
ナーメテーター要素。
誰もが達成し得ないと思った渓谷渡りをロートルパイロットがやってのけた!まさか、あのオヤジが?何てこった!僕の脳幹の奥から色々溢れ出す。前の席のおじさんは完全にマーヴェリックになりきっていたのだろう。谷底から急上昇する場面で彼の首がガクンと後ろにのけぞったからだ。最高だ。
男と男の友情。
それは甘っちょろいものじゃない。マーヴェリックとアイスマンが抱き合うシーンを無感情で見られる男がいるだろうか?どっちが最高のパイロットか?と死にそうな男がこだわるのを見て、なにも感じない男がいるだろうか?視界の片隅で、前の席のおじさんがメガネを外すのが見えた。きっと泣いていたのだろう。大丈夫、僕もだ。最高だ。
過去のわだかまりの解消と深まるチームワーク。
誤解をしたままのルースターと言い訳をしないマーヴェリック。解決方法はくどくどした話し合いなんかじゃない。戦いの中でしか分かり合えないものがあるのだ。空母の上で、無言で固く抱き合う二人。ロッカーに貼られたツーショット。それは庇護すべき存在から最高の相棒になった証だ。言葉はいらない。最高だ。
前作へのオマージュとオールドファンへのサービス。
テーマ曲を踏襲してくれるだけでなく、バー、カワサキ、ポルシェ、ビーチでのスポーツ、火の玉ロック、その他もろもろ。ニヤニヤしてしまうこと請け合い。オールドファンへのさりげない接待は大歓迎だ。
カッコいいメカと派手なアクション。
とにかく戦闘機がカッコいいのだ。前作以上に戦闘機のシーンが多く、興奮しっぱなしだ。また、パイロットを陰で支えるクルーたちの動きもカッコいい。短いながらデッキクルーが活躍する場面は前作に引き続き名シーンだと思う。縁の下の力持ちへの敬意が溢れる素晴らしいシーンだ。生まれ変われるとしてもパイロットになりたい、とまでの贅沢は言わない。叶うのならば、空母のデッキクルーになりたい。屈んだ姿勢で親指を立てたい。複雑なハンドサインを出したい。今日を生きるのに精一杯の僕が、来世のことまで夢見てしまう。最高だ。
まだまだ書き足りないほどの最高ポイントがたくさんある。映画って本当にいいな、と心から言える作品に出会えて、またリアルタイムにそれを実感することができたことにただただ感謝だ。
劇場を出たとき、妻が「私たちも頑張らなくっちゃね」と呟いた。
そう、僕もそう思っていたんだ。
こんな映画なかなかない。
僕たちは、まだまだ頑張らなくっちゃいけない。